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「描いて解脱」呪詛のようにつぶやき絵を描く日々
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「あたし糊鍋が欲しい」
とのたまうので女王様に付き合って合羽橋まで行ってあげた。
私えらい。

そもそも素描展が芸大美術館でやっているので上野に行ったのだった。
美術館で画を見る。
「コレ白抜くの何で抜いてるのかな」
「あとから?」
「塗り残してるの?」
どっちにしろ上手かった。梅原先生の魚。別に元生徒である私にくれても構わない。
関先生のウサギさんも上手かった。欲しかった。
たっぷりした筆遣いでとろんとしたウサギが何匹も居てかわいい。ビーカーに入れてガラス棒でぐるぐるかきまぜたいくらいだ。

「見た」
「見た」
「行くか」
「行く」

と、糊鍋を買いに合羽橋へ移動。
大量に絵の具や紙を得応軒で購入した女王様の荷物は持ってなどやらない。最近一グラムも絵の具を買っていない私に持ってやる道理は微塵も無い。

「紙持ってあげようか?」
「うん」
「冨川って優しいでしょ」
「えー?私が優しいの。私は『とっても優しい』から生まれてきた子だもの」
厚顔無恥とはこのこと。
「ふかわさんは『ひどい』から生まれてきた子でしょ」
もう何をいわんやかである。
「握りつぶしてやるこの紙」
「あーあー、合羽橋ってどっちだっけ?あるこうか?電車乗る?」
「うっせ案内などしてやらぬ」
「ぅえー、ひーどーいー。やっぱりひどいから生まれてきたんだー」
「握りつぶす」


とりあえず二駅乗った。田原町で降りる。製菓やらを回って「これにするー」と決める。
『とっても優しい』から生まれてきた子六千円もする美しい鍋を選ぶ。資本主義を推し進め地球に優しくない感じだ。頭が沸いているに違いない。

「こちらでよろしいですか」
「わーパッケージからして可愛いー」
「ふかわさん、ふかわさん、私のだから」
女王様、店員とにこやかに微笑み合う。少しほめてあげただけなのに。何かとても悔しかったので、
「指紋つけてやる、えい」
新品の鍋にマーキングをしてさしあげる。口をあける二人。どうだまいったか。はっはっは。
「すいません、変なひとで。気にしないでください」
「いいえ。ではお包みしますね」
何事も無かったかのように流される可哀相な私。

「ふかわさんてアレだよね」
「なによ」
「いや」

仕方が無いので優しさを披露すべく行動に出てやることにする。
「ここちり紙やさん、わがみ堂のおじさんの言っていた台東区の浅草辺りにはちり紙屋があるっていってたでしょ。くしゃくしゃっとすると塵が出るからのほうのちり紙」
「ああ。」

「ここ東京松屋襖紙を売っている所。襖の解剖体も展示してあるし、江戸から紙の職人を沢山抱えているというお店だよ」
「ほぉ」

「あと刷毛屋が…」
道に迷う。間違えて通り過ぎる。失態。
「まあ、また今度教えてね。」
「…うん」
「私、『とっても優しい』から生まれてきた子だから許してあげるよ。」
「!!!」




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このサイトは年金貰うまで若手作家、年金貰って青年作家という少しアレな世界に足を突っ込んだ人間のブログです。あわよくば各方面より指摘をしていただいて、若手作家:冨川三和五(冨川美和子)がまっすぐ正しい方向に進む為のブログである。日々間違えたとわかれば軌道修正、弛まぬ努力と精進を胸に。コレを読んだ若手作家にはこのサイトをたたき台として利用し検証し、重箱の隅をつつき、且つ実験や情報をコメントして頂、共に成長していこうという趣旨でもある。
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