「描いて解脱」呪詛のようにつぶやき絵を描く日々
ほっきー「あたし絹の裏打ちできないから画廊さんに泣き(略)たら、話が付いたのー行こー」
みわこ「いくいくー!ほっきー偉い!素敵!」
??アルェー?ここどこだっけ?裏打ち聞きに来たんだよねぇ確か。
みわこ「いくいくー!ほっきー偉い!素敵!」
??アルェー?ここどこだっけ?裏打ち聞きに来たんだよねぇ確か。
はじめは本当に裏打ち講義でした。■■額装へ運筆連中で超迷惑な感じでぞろぞろ、業務妨害しにナガッチリを披露してきました。
いざ絹の裏打ちです。
御用意いただくのは台紙と、裏打ちの紙と、撫で刷毛、絵描いた絹、糊と糊刷毛です。
台に台紙を置いて湿らせます。水を入れるというそうです。四方を強めに湿らせて台紙が台から動かないようにします。そのうえに絹を裏側において湿らせます。(あらかじめ縮みをかけておくのがよいそうです)
そして裏打ちの紙に新のりかた糊を塗ります。そして物差しみたいのに引っ掛けて本紙のうえに乗せます。そのうえで撫で刷毛で撫で撫でします。上から透けて見える本紙の四方のみ裏打ち紙の上からのりを打ちます。そうして台紙ごと拾い仮貼りへ貼りなおします。後台紙を剥がします。撫で撫でします。少したったらとっとと剥がします。毛布を敷いた上にふんわりおきます。(加筆修正2008/06/15)おしまい。
おおー。
妙技が簡単に終了。ま、いつも思うけど上手い人ほど簡単そうにやって見せるよね。なんでも。
そして紙の裏打ち、から打ちへと講義は続きました。
「じゃ、せっかく来たからみなさんもやりましょうか」
「うえー。」
齢三十を越した生き物達のうめき声。擦り付け合いが醜くも展開される。
「大丈夫五人分あるから」
「うえー。」
習いに来ているにもかかわらず礼儀など彼方に飛ばす我々三十過ぎ。
特攻が決まる。
「ふっ最初がいいんだよ、失敗しても許されるから。五人目は容赦されないよ」
と、茶々を入れる上の階にお店がある紙屋さんの店主。なぜか途中から参戦。裏打ち講義と平行して紙の御高説もしていただいていた。実は彼の話が非常に楽しく興味深いので、紙とから打ちの裏打ちは職人の手元に目が行かなかったぐらいであった。正直ごめんなさい。
「伸びるまで待って」
「うへー、つぎどう、どうやんだっけ?」
「はけはけはけ」
うろたえる声がこだまする。
「とりあえず裏打ちは新のりです。古典の表具の時だけ古糊です」
おおー。明解解決。みんなー新糊でいいんだってー裏打ちー。かた糊orうす糊かの違いみたいー
とりあえず言質3つ目。
「裏打ちした後に描くのはできれば避けてください。」
「ぎょぎょ。」
「膠分が紙を通り抜けて裏打ちの紙ごと固めてしまうから。また墨の場合は裏打ちの紙にもしみて濃さが変わるから」
「にょー!」
やっぱりそうなのかー。
「紙がはげたらどうしようもないのです」
「おおー」
どうも絵を描くにいたって一人で描いている気になるんだけどもう少しかかわりって広いんだなと改めて思いました。漉き手さん、紙屋さん、描き手さん、額屋/表具屋さん、画廊さん。結構かかわりが多いんだなと。なかよくなりたーい。なってみたーい。
そうこうしているうちにふかわの裏打ちの番。なぜか額装屋店主が隣に座る。ひえー許して何も見ないでその目に何も写さないでー!と心で悲鳴を上げるふかわ。
「手、向き違う」
「おお」
「でもやってたでしょ」
「う?」
「裏打ち。上手い」
「うえー。」
うーん。絵描く前に裏打ちしていたモノシラズだけど裏打ちの技術はちょっとは付いていたんだな、馬鹿でもやっておけばどっかは成長しているんだなと、なんでもとにかくやって損なことはないんだ!ちょっとは…。
ひとしきり生徒の裏打ちが終わる。
「はい!額装の裏が見たいです。」
「うら?みる?」
「うん」3乗
「…」
女王様「ね、やばくない?私達、聞かれて初対面で且つ教えてもらいに来ているのに『うん』ってそろって返事って何?」
「うお」
女王様の癖にさも自分はかろうじて常識があるみたいに言う。ネチネチ。店主にも「うえー」とか言っている自分が手遅れなのでひがんでもみたりもしてみようぞ、おっすオラ三十七歳!夜露死苦!
とにもかくにも額装講義へ移行
「コレが本額装」
「おおー」
「うちのはマイナスドライバーで(かこっとさしてずらす)、ね、簡単にはずせます」
「おおー」
「で、ここがマット部分。布をここに貼るわけです。で、ここのたちが決め手。継ぎが上手いか上手くないかが職人が問われるところです」
「ふーん」
「柄が細かいと合わせに時間がかかり、大柄だと具合を見るのに半日かかります。」
「おおー」
「布をきりよく使い終わると嬉しいです。」
「おお。あの、ちなみにこちらおいくら万円?」
「うーん8万円スタート?」
「むほー」
和額の相場と装丁の気の使い方というのを見せてもらうと、納得です。やっぱり先日の表具師の「たかいんじゃない、値が張るんです。」というのが思い出される。中身や装丁についての気の使い方まで見せていただければその値段は理解できる。
こちらの額装やさんの思考は「後で誰が見てもわかりやすい」を基本理念としてある気がした。はずしやすく、扱いやすくあれ。
「こちらは骨」
「うおー」
「紙削るんだねー」
「竹くぎとかはー…」
「ああそういうのやりたいならもう!上上。」
「?」
「上にいけばもう!」
と、促されるまま階段を上に行く。上ってさっきの紙屋さんだよね?茶々入れてた。
あれ?
「やあやあきたきた。」
ここから紙の話、仮貼りの話、墨の話、保存の話、図書館の修復の話、ひこーきの話、車の話と、何故か裏打ち講義に割いた時間の倍非常に興味深い話をお話いただいた。
…そういえばこの感覚って…木部さんに会ったときと同じ感じ。情報量の多さに脳が飽和する。
「これー■■紙だよ。■■紙ってね(略)なの、であっこでやんの、で、だからこれ書くと(うんちゃら会入会書)君達主催者!」
「!!!」
なんかね、私ね、いろいろねしょぼい感じですけど紙調べてたんですよ。ちり紙から。で、ある紙の噂があってね、すっごい理念の下にサラブレッド的にできた紙があってね、話には聞いていたんだけど作るのにも誰が関わってたかとか言うのは聞いて調べて気になってた紙だったの。でもここでまさにその発起人の一人に会うとは思わなかったんだよね。裏打ち習いに来てさ。つかさ、あたし額屋さんに来たんだよね。ここどこだっけ?
「でね大川さんと、●●さんと、■■さんでね考えてね先生に描いてくださいってお願いしたの。」
「!!」
ここでも聞く大川さんの名前。顕微鏡で繊維を見るとどの産地のどの時代の紙かをわかる人。んー。
紙の世界って。ヤケドスル。コワイ。
その後も
「でね、墨ねやめるって言うから、全部買ったの。灰に入ってる奴そのまま」
「!!」
私大人買いって聞いたことあるんですけど、あんまり墨とかって大人買いはしないと思うんだよね。
その他の大人買い暦?癖?を聞くと目から鱗が窓ガラスを破る勢いで連続発射するような感じで、私に今高性能照準機を付けたらいいと思うよ…って、どこだっけ、ココ。
よくわかんないけど、色々教えてもらえて甘えさせてもらえることになって、たくさん頂き物をしました。
ありがとうございます。皆様の善意で私楽しませてもらってます。
伺った額装屋さんをはじめ、紙屋さん、泣きべそかいて画廊にすがったほっきー、ありがとうございました。
また通います。
いざ絹の裏打ちです。
御用意いただくのは台紙と、裏打ちの紙と、撫で刷毛、絵描いた絹、糊と糊刷毛です。
台に台紙を置いて湿らせます。水を入れるというそうです。四方を強めに湿らせて台紙が台から動かないようにします。そのうえに絹を裏側において湿らせます。(あらかじめ縮みをかけておくのがよいそうです)
そして裏打ちの紙に新のりかた糊を塗ります。そして物差しみたいのに引っ掛けて本紙のうえに乗せます。そのうえで撫で刷毛で撫で撫でします。上から透けて見える本紙の四方のみ裏打ち紙の上からのりを打ちます。そうして台紙ごと拾い仮貼りへ貼りなおします。後台紙を剥がします。撫で撫でします。少したったらとっとと剥がします。毛布を敷いた上にふんわりおきます。(加筆修正2008/06/15)おしまい。
おおー。
妙技が簡単に終了。ま、いつも思うけど上手い人ほど簡単そうにやって見せるよね。なんでも。
そして紙の裏打ち、から打ちへと講義は続きました。
「じゃ、せっかく来たからみなさんもやりましょうか」
「うえー。」
齢三十を越した生き物達のうめき声。擦り付け合いが醜くも展開される。
「大丈夫五人分あるから」
「うえー。」
習いに来ているにもかかわらず礼儀など彼方に飛ばす我々三十過ぎ。
特攻が決まる。
「ふっ最初がいいんだよ、失敗しても許されるから。五人目は容赦されないよ」
と、茶々を入れる上の階にお店がある紙屋さんの店主。なぜか途中から参戦。裏打ち講義と平行して紙の御高説もしていただいていた。実は彼の話が非常に楽しく興味深いので、紙とから打ちの裏打ちは職人の手元に目が行かなかったぐらいであった。正直ごめんなさい。
「伸びるまで待って」
「うへー、つぎどう、どうやんだっけ?」
「はけはけはけ」
うろたえる声がこだまする。
「とりあえず裏打ちは新のりです。古典の表具の時だけ古糊です」
おおー。明解解決。みんなー新糊でいいんだってー裏打ちー。かた糊orうす糊かの違いみたいー
とりあえず言質3つ目。
「裏打ちした後に描くのはできれば避けてください。」
「ぎょぎょ。」
「膠分が紙を通り抜けて裏打ちの紙ごと固めてしまうから。また墨の場合は裏打ちの紙にもしみて濃さが変わるから」
「にょー!」
やっぱりそうなのかー。
「紙がはげたらどうしようもないのです」
「おおー」
どうも絵を描くにいたって一人で描いている気になるんだけどもう少しかかわりって広いんだなと改めて思いました。漉き手さん、紙屋さん、描き手さん、額屋/表具屋さん、画廊さん。結構かかわりが多いんだなと。なかよくなりたーい。なってみたーい。
そうこうしているうちにふかわの裏打ちの番。なぜか額装屋店主が隣に座る。ひえー許して何も見ないでその目に何も写さないでー!と心で悲鳴を上げるふかわ。
「手、向き違う」
「おお」
「でもやってたでしょ」
「う?」
「裏打ち。上手い」
「うえー。」
うーん。絵描く前に裏打ちしていたモノシラズだけど裏打ちの技術はちょっとは付いていたんだな、馬鹿でもやっておけばどっかは成長しているんだなと、なんでもとにかくやって損なことはないんだ!ちょっとは…。
ひとしきり生徒の裏打ちが終わる。
「はい!額装の裏が見たいです。」
「うら?みる?」
「うん」3乗
「…」
女王様「ね、やばくない?私達、聞かれて初対面で且つ教えてもらいに来ているのに『うん』ってそろって返事って何?」
「うお」
女王様の癖にさも自分はかろうじて常識があるみたいに言う。ネチネチ。店主にも「うえー」とか言っている自分が手遅れなのでひがんでもみたりもしてみようぞ、おっすオラ三十七歳!夜露死苦!
とにもかくにも額装講義へ移行
「コレが本額装」
「おおー」
「うちのはマイナスドライバーで(かこっとさしてずらす)、ね、簡単にはずせます」
「おおー」
「で、ここがマット部分。布をここに貼るわけです。で、ここのたちが決め手。継ぎが上手いか上手くないかが職人が問われるところです」
「ふーん」
「柄が細かいと合わせに時間がかかり、大柄だと具合を見るのに半日かかります。」
「おおー」
「布をきりよく使い終わると嬉しいです。」
「おお。あの、ちなみにこちらおいくら万円?」
「うーん8万円スタート?」
「むほー」
和額の相場と装丁の気の使い方というのを見せてもらうと、納得です。やっぱり先日の表具師の「たかいんじゃない、値が張るんです。」というのが思い出される。中身や装丁についての気の使い方まで見せていただければその値段は理解できる。
こちらの額装やさんの思考は「後で誰が見てもわかりやすい」を基本理念としてある気がした。はずしやすく、扱いやすくあれ。
「こちらは骨」
「うおー」
「紙削るんだねー」
「竹くぎとかはー…」
「ああそういうのやりたいならもう!上上。」
「?」
「上にいけばもう!」
と、促されるまま階段を上に行く。上ってさっきの紙屋さんだよね?茶々入れてた。
あれ?
「やあやあきたきた。」
ここから紙の話、仮貼りの話、墨の話、保存の話、図書館の修復の話、ひこーきの話、車の話と、何故か裏打ち講義に割いた時間の倍非常に興味深い話をお話いただいた。
…そういえばこの感覚って…木部さんに会ったときと同じ感じ。情報量の多さに脳が飽和する。
「これー■■紙だよ。■■紙ってね(略)なの、であっこでやんの、で、だからこれ書くと(うんちゃら会入会書)君達主催者!」
「!!!」
なんかね、私ね、いろいろねしょぼい感じですけど紙調べてたんですよ。ちり紙から。で、ある紙の噂があってね、すっごい理念の下にサラブレッド的にできた紙があってね、話には聞いていたんだけど作るのにも誰が関わってたかとか言うのは聞いて調べて気になってた紙だったの。でもここでまさにその発起人の一人に会うとは思わなかったんだよね。裏打ち習いに来てさ。つかさ、あたし額屋さんに来たんだよね。ここどこだっけ?
「でね大川さんと、●●さんと、■■さんでね考えてね先生に描いてくださいってお願いしたの。」
「!!」
ここでも聞く大川さんの名前。顕微鏡で繊維を見るとどの産地のどの時代の紙かをわかる人。んー。
紙の世界って。ヤケドスル。コワイ。
その後も
「でね、墨ねやめるって言うから、全部買ったの。灰に入ってる奴そのまま」
「!!」
私大人買いって聞いたことあるんですけど、あんまり墨とかって大人買いはしないと思うんだよね。
その他の大人買い暦?癖?を聞くと目から鱗が窓ガラスを破る勢いで連続発射するような感じで、私に今高性能照準機を付けたらいいと思うよ…って、どこだっけ、ココ。
よくわかんないけど、色々教えてもらえて甘えさせてもらえることになって、たくさん頂き物をしました。
ありがとうございます。皆様の善意で私楽しませてもらってます。
伺った額装屋さんをはじめ、紙屋さん、泣きべそかいて画廊にすがったほっきー、ありがとうございました。
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ほだねー。
なんかいっぱい頑張ろうという感じです。
ま、描いて解脱っす。
なんかいっぱい頑張ろうという感じです。
ま、描いて解脱っす。
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このサイトは年金貰うまで若手作家、年金貰って青年作家という少しアレな世界に足を突っ込んだ人間のブログです。あわよくば各方面より指摘をしていただいて、若手作家:冨川三和五(冨川美和子)がまっすぐ正しい方向に進む為のブログである。日々間違えたとわかれば軌道修正、弛まぬ努力と精進を胸に。コレを読んだ若手作家にはこのサイトをたたき台として利用し検証し、重箱の隅をつつき、且つ実験や情報をコメントして頂、共に成長していこうという趣旨でもある。
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