「描いて解脱」呪詛のようにつぶやき絵を描く日々
「おうよ、箱どうするんだよ。帙でもいいけど。」
「おうあ。」
箱は今ない。屏風だけ。輸送用にボロボロのダンボールとエアキャップ。
「電話しろよ。」
「だって…」
「いいから早く。こんなダンボールじゃ嫁にいけねーぞ。」
「うっ。お嫁入りできたら作るよ。」
「てめっ持って帰る時ともっかい展示する時と締まっておくのにダンボールかっ。いいから電話しろ!」
「いいよこれで。」
「ちゃんと作りな?」
「うー。」
優しく武士が諭す。
「いくらさ。」
「しらねー。聞け。勉強してもらえ。」
「うー。」
何故渋るか。それは私には電話を渋る理由があるからだ。
きよぶたっ。
「おかーさーん。電話してー。」
「え?」
「○○さんに電話してー。見積もりして欲しいって言ってー。」
「いいけど?回覧板があるからすぐかけられるわよ?」
「うー。じゃあしてー。」
「はいはい。えっと、あもしもし?○○さんのおたくですか?ご主人様いらっしゃいますでしょうか?あの娘が…ええ。こんばんわ。あのですね、ええいつもお世話になっております。先日の町会のええほんとにあの時は…。それであの今回町会長さんの○○さんににお願いではなくてですね、○○さんにお願いがあると娘が言っておりましてはい。箱を作って欲しいと、あ娘に今代わりますね。」
そうなのだ。箱屋さん、それも柿渋な畳箱を作っているお店屋さんのご主人は同じ町会の町会長さんなのだ。
「あの、箱を作っていただきたいのですがお見積もりいただけないでしょうか?衝立より大きく屏風より小さい高さは5尺で、」
「はい。えっと箱ですか?」
「はい。あの○○軒で作ってましてあのそれで箱なら○○さんのところにしろと薦められて…」
「ああ、はいはいはい。モノあります?そちらに。今。あ、そうですか。じゃ今すぐ伺います。はい。」
「うえーー?」
さる、突然の展開に言葉を忘れる。
動揺している間にいらしてくださる。
「はい、こちらですか?はーっ大作ですね。私もずいぶんと画を見てますけど(略)。」
消えたい。恥ずかしくて消えたい。町会に画を描いていることが割れた。それも町会長に。
ひとしきり採寸とリサーチが入る。
「ええ、芸大?どこの先生?あ、院展。会員ですか?ああそう、良くお勉強なさってるのですね。ええお母さんホントに。ええ。画はねいい画でも難しい世界なんですよ。ホントに。この道目指されるってことはね。ええ頂点がこうありましたらこう三角ですよ。ヒエラルキーって奴ですよ。ええ。そうですかほんとにああ。今は?ああダンボールですか?ああ、んー。これじゃ画がかわいそうですよ。ちゃんとしないと。うん、ウコンの布で包んであげなきゃ。ね。」
もう、ほんとこの世界狭い。因みに桐箱の中西さんも「畳箱なら○○に行け。」と薦めるいうくらい有名で高名な畳箱屋さん。だから悪いことをしたら一瞬で回るから悪いことは出来ない。そしてトドメに同じ町会という…何のどんないたずら?ほんとうに狭い世界。
「まあ、でも○○軒。すごいじゃないですか○○さんお元気ですか?よろしくお伝えしておいて下さいな。」
「はい。全然すごくないです。ただの偶然のおんぶにだっこです。お元気です。健在です。伝えます。」
中身が伴ってない。苦しい。
なんかね。ほんとにね。
もうね。色々ね。
うん。
「おうあ。」
箱は今ない。屏風だけ。輸送用にボロボロのダンボールとエアキャップ。
「電話しろよ。」
「だって…」
「いいから早く。こんなダンボールじゃ嫁にいけねーぞ。」
「うっ。お嫁入りできたら作るよ。」
「てめっ持って帰る時ともっかい展示する時と締まっておくのにダンボールかっ。いいから電話しろ!」
「いいよこれで。」
「ちゃんと作りな?」
「うー。」
優しく武士が諭す。
「いくらさ。」
「しらねー。聞け。勉強してもらえ。」
「うー。」
何故渋るか。それは私には電話を渋る理由があるからだ。
きよぶたっ。
「おかーさーん。電話してー。」
「え?」
「○○さんに電話してー。見積もりして欲しいって言ってー。」
「いいけど?回覧板があるからすぐかけられるわよ?」
「うー。じゃあしてー。」
「はいはい。えっと、あもしもし?○○さんのおたくですか?ご主人様いらっしゃいますでしょうか?あの娘が…ええ。こんばんわ。あのですね、ええいつもお世話になっております。先日の町会のええほんとにあの時は…。それであの今回町会長さんの○○さんににお願いではなくてですね、○○さんにお願いがあると娘が言っておりましてはい。箱を作って欲しいと、あ娘に今代わりますね。」
そうなのだ。箱屋さん、それも柿渋な畳箱を作っているお店屋さんのご主人は同じ町会の町会長さんなのだ。
「あの、箱を作っていただきたいのですがお見積もりいただけないでしょうか?衝立より大きく屏風より小さい高さは5尺で、」
「はい。えっと箱ですか?」
「はい。あの○○軒で作ってましてあのそれで箱なら○○さんのところにしろと薦められて…」
「ああ、はいはいはい。モノあります?そちらに。今。あ、そうですか。じゃ今すぐ伺います。はい。」
「うえーー?」
さる、突然の展開に言葉を忘れる。
動揺している間にいらしてくださる。
「はい、こちらですか?はーっ大作ですね。私もずいぶんと画を見てますけど(略)。」
消えたい。恥ずかしくて消えたい。町会に画を描いていることが割れた。それも町会長に。
ひとしきり採寸とリサーチが入る。
「ええ、芸大?どこの先生?あ、院展。会員ですか?ああそう、良くお勉強なさってるのですね。ええお母さんホントに。ええ。画はねいい画でも難しい世界なんですよ。ホントに。この道目指されるってことはね。ええ頂点がこうありましたらこう三角ですよ。ヒエラルキーって奴ですよ。ええ。そうですかほんとにああ。今は?ああダンボールですか?ああ、んー。これじゃ画がかわいそうですよ。ちゃんとしないと。うん、ウコンの布で包んであげなきゃ。ね。」
もう、ほんとこの世界狭い。因みに桐箱の中西さんも「畳箱なら○○に行け。」と薦めるいうくらい有名で高名な畳箱屋さん。だから悪いことをしたら一瞬で回るから悪いことは出来ない。そしてトドメに同じ町会という…何のどんないたずら?ほんとうに狭い世界。
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もうね。色々ね。
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来てくださる方大歓迎。
そしてありがとうございます。
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このサイトは年金貰うまで若手作家、年金貰って青年作家という少しアレな世界に足を突っ込んだ人間のブログです。あわよくば各方面より指摘をしていただいて、若手作家:冨川三和五(冨川美和子)がまっすぐ正しい方向に進む為のブログである。日々間違えたとわかれば軌道修正、弛まぬ努力と精進を胸に。コレを読んだ若手作家にはこのサイトをたたき台として利用し検証し、重箱の隅をつつき、且つ実験や情報をコメントして頂、共に成長していこうという趣旨でもある。
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